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Talbot Lau 干渉計

新情報
■ 2021年4月 LIGAプロセス 高コントラストのX線分解能ターゲットの商品化
■ 2021年3月 X線回折格子(タルボ干渉計) Publications (ユーザによる発表事例)を追加。心臓大血管の構造研究への応用例。
■ 2020年7月 X線レンズ Publications (ユーザによる発表事例)を追加

展示会情報
[出展] 2021年1月8-10日: 日本放射光学会年会,オンライン開催
[出展] 2020年1月10-12日: 日本放射光学会年会,ウインクあいち(愛知県産業労働センター)
[出展] 2019年10月20-24日:XNPIG,International Conference on X-ray and Neutron Phase Imaging with Gratings,
仙台国際センター

1. タルボ干渉計,タルボ・ロー干渉計による非破壊イメージング

(a) X線位相コントラストイメージングによって得られる画像

透過型の回折格子を複数用いるX線タルボ干渉計,タルボ・ロー干渉計によって生じるモアレ縞の変化を記録・処理することで,通常のレントゲン写真で用いられるX線吸収像に加え,低吸収物質に対しても高感度な位相コントラスを用いた微分位相像,モアレ縞の不鮮明化を利用した小角散乱像(暗視野像)が取得できます。

下の画像例は同一のサンプルを同一時に撮像したものですが,異なるモダリディ(吸収コントラスト,微分位相コントラスト)によって,各々得られている情報が大幅に異なるのがわかります。吸収像ではパーツ内部の金属が見えているのに対し,位相コントラスト像ではプラスチック素子表面の微小な凹みや亀裂が認識できています。このような特徴を活かし,X線タルボ干渉計,タルボ・ロー干渉計は,非破壊検査装置への応用に向け研究が進められています。

タルボ干渉計 吸収コントラスト像

吸収コントラスト像,スケールバーは2.5 mm

タルボ干渉計 微分位相コントラスト像
微分位相コントラスト像

サンプル: SDカードに亀裂を付けたもの。フォトンファクトリーBL-14Cにて撮像。



下の画像例は微分位相像と小角散乱像(暗視野像)です。この手法による撮像は,肺のような組織の構造や密度変化に対して非常に感度が高く,これまでのX線吸収像では見逃していたような肺疾患を特定することが可能になると考えられています。現在,胸部や肺の医療診断用装置の実用化に向け,研究開発が行われています。



タルボ干渉計 微分位相コントラスト像

微分位相コントラスト像,スケールバーは2.5 mm

タルボ干渉計 小角散乱像
小角散乱像(暗視野像)
サンプル: 古いガス管。フォトンファクトリーBL-14Cにて撮像。

お手持ちのサンプルの撮像や,タルボ・ロー干渉計セットアップの導入,あるいは回折格子の製造に関する御相談・お問い合わせを受け付けております。 メール にて御連絡ください。




(b) 回折格子を用いたX線位相コントラストイメージング: タルボ干渉計

位相格子G1を通ったコヒーレントX線は,一定距離(タルボ距離)離れた地点に自己像を形成します。その自己像と吸収格子G2の格子との重ね合わせを,モアレ縞として検出器で検出することで位相像を取得します。また,試料の透過によりビジビリティに変化が生じ,その低下情報からコントラストを計測することで,小角散乱像(暗視野像)を取得できます。


タルボ干渉計のセットアップに加えて線源格子G0を導入することで通常のX線管にてコヒーレントなX線が得られ,タルボ・ロー干渉計が構成できます。

タルボ干渉計 セットアップ

タルボ・ロー干渉計システム(TALINT) セットアップ例
・エネルギー: 8-60 keV (高エネルギー応相談)
・FOV: 直径100 mm程度まで(湾曲格子)
・位相ステッピングビジビリティ: > 25% (typ.)
・光源/検出器最短距離: 500 mm
・センシティビティ((G1–G2)/p2): 〜250,000 (応相談)
・システムの位相ドリフト: < 3 rad/h (G2周期4.8 µmの場合)


2. X線回折格子

カールスルーエ技術研究所(KIT)・IMTとスピンオフ企業のmicroworks GmbHは,X線タルボ・ロー干渉計で使用される高アスペクト比,高精度の回折格子を開発し提供しています。


高アスペクト比 X線回折格子

左: 高アスペクト比の吸収格子。アスペクト比100以上の実績あり。
右: 影の効果を避けるために開発された湾曲型の吸収格子。専用ホルダーに搭載してお届け。



(a) 回折格子構造例

X線回折格子は,X線マスクをレジスト上に転写して,構造化したレジストの隙間に電鋳を施すことで製造します。御希望の周期を持つマスクの作製と,既存のマスクレイアウトからの格子製造の,双方を御提案可能です。

金属構造体の厚み例250 μm4 μm
周期(metal + space)の例4.8 μm3.57 μm
材質AuNi
用途吸収格子位相格子


(b) 標準品の仕様
特別な開発を必要としない仕様の例
構造体材質Au,Niまたはポリマーレジスト
基板標準: Siウェハ (標準: 200 µmあるいは550 µm)
オプション: グラファイトやポリイミド等の低吸収体
構造面積標準: 直径70 mm
オプション: 直径100-140 mm,つなぎ合わせによる面積の拡張も応相談


(c) 開発品1 / 大面積の格子
大視野を実現する大きな面積の吸収格子を製造開始しています(仕様は随時変更)。
仕様例 面積: 200 mm x 100 mm
周期: 7.0-10.0 µm
吸収体高さ: Au 250 µm程度
基板材質: Si
他: ブリッジ構造あり


(d) 開発品2 / 狭い周期の回折格子

非常に狭い周期の回折格子の実用化を目指しています。1.0 μm~2.0 μm の周期が,限られた面積内で実現しています。



周期2.0 μm1.0 µm1.4 µm
材質NiAuAu
構造高さ3.2 μmUp to 5 µm> 20 µm
格子構造面積10 mm x 10 mm5 mm x 5 mm20 mm x 20 mm
用途位相格子(G1),18 keV,π/2位相格子(G1),26 keV,π/2吸収格子
基板材質ポリイミドSi 200 µmポリイミド他
構造デザイン連続線ブリッジブリッジ

3. 製造者と実績例

カールスルーエ技術研究所(KIT)・IMTmicroworks GmbHは,X線リソグラフィを用いた高アスペクト比の樹脂構造と電鋳構造の研究開発の第一人者です。お客様のお求めにより,御希望の撮像環境に対応した回折格子を製造,提案しております。

X線回折格子のネガティブ構造

高アスペクト比の構造
X線リソグラフィと高精度電鋳(エレクトロフォーミング)による(LIGAプロセス)を用いて,短周期と高構造の両方を持つ回折格子を実現しています。 使用実績については5. Publications (当ページ)を御覧ください。

(左写真) 周期10 µm,厚さ200 µm,アスペクト比: 40を持つ電鋳前のポリマー構造体。金属製のX線回折格子を作製する前に使用する型構造。


タルボ干渉計撮像例 微分位相コントラスト像

タルボ干渉計撮像実験

X線回折格子をタルボ干渉計にて用い,サンプル撮像実験や回折格子の評価実験を実施しました。
■ 東北大学多元物質科学研究所 百生研究室
件名: サンプル撮像によるカールスルーエ技術研究所製造X線回折格子の評価
■ 高エネルギー加速器研究機構 フォトンファクトリー
件名: 放射光施設におけるタルボ干渉計用回折格子の性能評価手法の研究

詳細と撮像したサンプルの画像はこちら



4. 興味を持たれた方は

お手持ちのサンプルの撮像や,タルボ・ロー干渉計セットアップの導入,あるいは回折格子の製造に関する御相談・お問い合わせを受け付けております。 メール にて御連絡ください。


5. Publications: KITとmicroworksの製造したX線回折格子を用いた実験成果発表事例(抜粋)

[心臓血管外科疾患の微細構造解析]
▶位相差X線CT法を用いた心臓大血管の構造研究,築部卓郎 他 / Cardiovascular structure analyzing research using synchrotron-based phase-contrast tomography. T Tsukbe et al., 日本放射光学会誌 Vol. 34, No.1/Jan. 2021
[肺の暗視野像]
▶X-ray dark-field imaging of the human lung - A feasibility study on a deceased body. K Willer et al., PLoS One. 2018; 13(9): e0204565
[大型動物の自然気胸の暗視野像]
▶Depiction of pneumothoraces in a large animal model using x-ray dark-field radiography. K Hellbach, A Baehr, F De Marco et al., Sci Rep 8, 2602 (2018)
[ヒトサイズ試料の低線量撮像]
▶A preclinical Talbot-Lau prototype for x‐ray dark‐field imaging of human‐sized objects. C Hauke et al., Med. Phys. 45 (6), June 2018

[非破壊検査向けの位相イメージングスキャナ]
▶Laboratory-based X-ray phase-imaging scanner using Talbot-Lau interferometer for non-destructive testing. Shivaji Bachche et al., Scientific Reports volume 7, Article number: 6711 (2017)
[非破壊検査向けの位相イメージングスキャナ,大きなFOV]
▶X-ray phase-imaging scanner with tiled bent gratings for large-field-of-view nondestructive testing. M Kageyama et al., NDT and E International 105 (2019) 19-24
[産業界向けアプリケーション]
▶System design and evaluation of a compact and high energy X-ray Talbot-Lau grating interferometer for industrial applications. Lee, S., Oh, O., Kim, Y. et al., J. Korean Phys. Soc. 73, 1827-1833 (2018)
[炭素繊維強化プラスチックのµCT撮像]
▶Multi-modal Talbot-Lau grating interferometer XCT data for the characterization of carbon fibre reinforced polymers with metal components. C Gusenbauer et al., Conference on Industrial Computed Tomography (iCT) 2017

[X線天文学]
▶Sub-arcsecond imaging with multi-image X-ray interferometer module (MIXIM) for very small satellite. Kiyoshi Hayashida et al., Proc. of SPIE Vol. 10699 106990U-1
▶サブ秒角撮像を目指すX線多重像干渉計MIXIMの基礎開発,川端智樹, 大阪大学大学院 修士論文,2018年2月
▶Sub-arcsecond to micro-arcsecond resolution X-ray imaging of SMBH with a novel method MIXIM, Kiyoshi Hayashida et al., AGN Jet Workshop, 2020
X線光学製品と微細加工技術LIGA
X-ray optics and micro fabrication (LIGA)


マイクロ流体デバイス
Microfluidic devices


医療産業バーコードHIBC