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X線光学と微細加工技術
X-ray optics and micro fabrication
X線集光レンズ / Compound refractive lens (CRL)

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カールスルーエ技術研究所(KIT)が開発している,単色X線を集光する屈折式のレンズです。

X線集光 複合屈折レンズ (CRL)

X線の屈折率は1よりも小さいため,可視光用レンズとは逆の両凹型の形状をもつレンズとなります。一つ一つのレンズ素子による屈折角は非常に小さく焦点距離は長いものの,最多で数百もの素子を並べることにより,数十mm~といった短焦点距離も実現できます。


複合屈折レンズの集光コンセプト

多段式「複合屈折レンズ」の集光コンセプト
レンズの素子数が増えると,焦点距離が短くなりビームサイズは小さくなる。

VHVH集光型 (デザイン #1357, #1405)

2次元集光型の「複合屈折レンズ」
1次元集光のレンズを2組交差させた構造で,入射X線の縦方向と横方向を点焦点へと集光させる。


標準品仕様例

エネルギー >5 keV (単色光)
焦点距離 >数十mm
アパーチャサイズ 46 µm~1,500 µm
集光サイズ 最小1 µm x 1 µm程度,(1次元集光のレンズとしての納品も可能)
レンズ素子 両凹型形状素子を多段配列。フレネルレンズタイプあり。
用途例 マイクロビームの形成,結像光学顕微鏡(FFXM)のオブジェクティブ
オプション プロテクト機能付きレンズホルダ,ナイフエッジ測定用の金アパーチャ等。カスタマイズでプリズムレンズの製造可能。


標準品集光例

SPring-8 BL10XUにおける集光例を紹介します。ここでは,まずアンジュレータ光源/モノクロメータからの入射光を,長焦点距離タイプのCRLにて一度集光しています。この光をmicroworks製の金のピンホール構造(深さ200 µm,直径10 µm)を通すことで仮想光源とし,下流の短焦点距離で再度集光して,サンプル地点にて裾野の整った集光を実現しています。


合屈折レンズ使用実績例

SPring-8にてKIT/IMTのCRLを使用している例
レンズタイプ #1357 (長焦点向け),#1405 (短焦点向け),2次元集光。microworks製のピンホール構造を仮想光源として使用
資料御提供: 平尾直久様 (JASRI/SPring-8),大石泰生様 (JASRI/SPring-8)


開発品: X線プリズムレンズ / X-ray prism lens, XPL

X線プリズムレンズ(XPL)は,非常に高い平均透過率を持つ大きなアパーチャの集光レンズです。プリズムレンズは,数万個もの三角柱のプリズム構造によって構成されます。プリズム一つ一つによってX線の方向が微小角だけ屈折し,プリズムレンズ全体で見ると湾曲型の光路を構成します。そのため,非常に厳密なレイアウトが必要となります。
このコンセプトにより,入射光の拡大も可能です[1]。


[1] O Márkus et al., "Optimizing illumination for full field imaging at high brilliance hard X-ray synchrotron sources", Vol. 26, No. 23 | 12 Nov 2018 | OPTICS EXPRESS 30435


プリズムレンズに入射したX線の強度分布シミュレーション

プリズムレンズに入射したX線の強度分布シミュレーション
色は,光路にレンズがない場合と比較した場合の各平面における強度。手前から5番目の平面内の強度線(赤色)は概ねプリズムのサイズ1つ分に相当する。


集光のプリズムレンズ(20 µmのプリズム,45°の支持平面)

集光のプリズムレンズ(20 µmのプリズム,45°の支持平面)
支持構造板がある左奥ではプリズム(微細集光素子)が正しく配列されているが,右手前では構造板による支えがないため,プリズムは崩れている。このレンズは1次元方向に集光する。

上右図にあるように,プリズムの構造は高アスペクト比(最大1:50程度)のため,そのまま配列すると毛細管力で崩壊してしまいます。そこで,45°の支持構造平面を導入することで構造は安定的に維持されます。

点焦点の集光を行う場合は,2つの1次元集光(線集光)プリズムレンズが光軸周りに90°傾けて配置されます。


他の集光素子との比較

複合屈折レンズを用いることで,既存の集光製品と比較して,時間コスト・費用コスト共に大幅に削減できます。


ゾーンプレート(FZP)との比較

・屈折のみを利用するため,回折高次光は生じません。フレネルタイプのレンズでも同様です。

・大アパーチャ製品があります(種類により最大2,000 µm)。


KBミラーとの比較

・レンズでは光軸が不変です。

・ビームライン上への設置時間を格段に削減できます。レンズステージの要求精度については資料を御覧ください。

・必要な設置スペースはプレート1枚分のみです。


複合屈折レンズ独自の強み

・同一基板に複数のレンズ: 一つの基板上に異なる集光パターンを持った複数のレンズ列を搭載できます。

・エネルギーや入射光サイズ,御希望の焦点距離に基づき,仕様を調整してお届けいたします。

・屈折のみを利用するため,回折高次光は生じません。フレネルタイプのレンズでも同様です。

・大アパーチャ製品があります(種類により最大2,000 µm)。


製造者と実績

カールスルーエ技術研究所/工科大学(KIT)・IMTのX線レンズは,国内では2005年以来,SPring-8を中心に多数の納入実績があります。導入事例については,Publication listを御覧ください。