
オンチップPCR: 高速化と産出効率の向上を実現
従来のサーマルサイクラーにおけるPCRでは,プラスチックチューブ内の分散媒中でDNAサンプルがプライマーやポリメラーゼ分子とともに繰り返し温度循環されます。この場合,温度を循環させるサーマルマスに対し,実際に対象となるDNAは極めて少なく,時間もかかるという課題があります。
そこで,マイクロ流路を用いてPCRの熱反応時間を減少させる2種類の解決法を提案いたします。
チャンバサイズの縮小とPCRの高速化
PCRの熱反応時間を減らすためには,サンプル量を減らすことが得策です。反応速度は,拡散による分子輸送で試薬とサンプルが結合する時間で決まるため,反応チャンバのサイズを縮小し拡散距離を短くすることが有効です。
オンチップPCRシステム ChipGenie edition TSO
ChipGenie edition TSOは,マイクロ流体チップ上でリアルタイムPCRを実現する小型のサーマルサイクル式PCRシステムです。DNAに反応する蛍光染料を測定することで,増幅の急激な上昇をリアルタイムで確認することができます。
測定する蛍光染料の励起,検出波長はカスタマイズ可能です。サンプルはスライドガラスサイズのチップにて,同時に最大16個まで検出できます。
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PCRマイクロ流体チップの例 / 反応チャンバチップ[750] |
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オンチップPCRシステム / ChipGenie edition TSO |
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ChipGenie edition TSO測定例 |
[動画] オンチップPCRシステム / ChipGenie edition TSO |
連続流PCR
サーマルサイクル処理を行う代わりに,下の左図のように,異なる固定温度を持つホットプレート上の流路内をサンプルが移動することで,チップ上の連続流にて変性,プライマーのアニーリング,伸長が高速で実施されるコンセプトです。
例えば500 µm x 100 µmのマイクロ流路では,長さ2 mmのサンプルプラグの場合サーマルマスは0.1 mg程度と非常に小さくなり,極めて短時間のうちにPCRが実行可能です。
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連続流PCRのコンセプト |
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連続流PCRシステム / ChipGenie edition TSO-3Z |
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ChipGenie edition TSO-3Zの温度制御 |
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連続流PCR機能を組み込んだカスタマイズチップの例: Multisense Chip |
連続流PCR向けのマイクロ流体チップ
連続流PCR向けのマイクロ流体チップ
デザイン番号 | [47] | [65] | [243] | [708] |
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流路容積 [μL] | 50 | 40 | 270 | 45 |
PCRサイクル数 | 15 | 36 | 40 | 41 |
入口 / 出口の個数 | 1 / 1 | 2 / 3 | 1 / 1 | 1 / 1 |
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連続流PCRチップ[47] |
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連続流PCRチップ[65] |
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連続流PCRチップ[243] |
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連続流PCRチップ[708] |
[OEMサービス] POCTカートリッジへのPCRの統合
サンプルからのDNAの抽出とPCRによる増幅,検出までのプロセスをすべて1つのマイクロ流体チップに統合することができます。microfluidic ChipShopではこのようなカスタマイズデザインのPOCTカートリッジをデザイン,試作,OEM生産しています。
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カスタマイズ例1: リアルタイムPCRチップ |
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カスタマイズ例2: Multisense Chip |
■ 詳細ページ: POCT (point-of-care testing) / IVD
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